食育通信(過去の記事)
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スイカは野菜か果物か?

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夏の食卓に欠かせないのが「スイカ」です。筆者も大好きです。ところで、スイカは、野菜か果物か?と孫に問われたことがあります。

 

 同じ瓜科でメロンや畑で栽培されているイチゴも、果たしてどちらだろうか?

 

これらの農産物は、スーパー等では、野菜コーナーより、果物のコーナーに売られているケースが多く見られます。

 

  果物とは、木になる実のことをいいます。従って、スイカやメロン、イチゴは立派に野菜に分類されます。

 

 

 

                                                            (2017/08/30 無双庵 筆)

命とは、あなたが持っている時間のこと

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このタイトルは、聖路加国際病院名誉院長で享年105歳でお亡くなりになられた故日野原重明先生が、常日頃から、講演等の折りに述べられていた言葉です。故日野原先生は、私が日頃から尊敬してやまない人の一人です。

 

 その意味するところは、「命を尊び、その命には限りがある。だからこそ、その命を大切に使いなさい。」ということだろうと自分なりに解釈しています。

 

 また、先生は、生涯現役に拘られ、100歳を過ぎても、なお、現役の医師としてご活躍されていたことは、既に、皆さんご存じのとおりです。

 

  そして大往生される直前まで、子供の将来について考えておられたそうです。一方で、自らは、医師でありながら胃瘻(いろう)等の一切の延命措置を断って、自宅で静かに息を引き取られたそうです。

 

  最後まで、「生きる」ことに対し、誰よりも真正面から問い続けてこられた方だと思いました。

 

 私は、故人のご冥福をお祈りするとともに、少しでも共感できる生き方をしていきたいと考えています。

 

 人は、生きていくためには、その源泉となる食べ物を毎日食べ続けていかなくてはなりません。その食べ物にも命があります。食べ物の命を頂いて生きていくことに、日々、感謝をしながら、体に優しいものを食べ、自らの命を大切にして、あなたが持っている時間を有意義に使うことが社会に貢献するということだろうと思います。

 

  人は、生まれた瞬間から、確実に「死」に向かってカウントダウンが始まっています。どのように生きるかは、個人の自由ですが、森羅万象、この世に生を授かっている全ての命に無駄な命はありません。

 

命と命が時間であることの大切さを改めて考えさせられます(合掌)。

 

                                          (2017/08/15無双庵 筆)

 

 

あなたは肥満?

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肥満者の蔑視として「ブタ」のよう等と申しますが、実は豚の体脂肪率は14~18%なのです。これでは、豚さんに失礼と思いませんか?

 

日本も飽方々には、私の目では、そんなに肥満には見えないが、自分では肥満と思い込んでおいでる方々が、多いように思われます。

 

それが証拠に怪しげな方法も含め、色々なダイエット方法が情報として雑誌等の誌面に氾濫しています。

 

そこで、今日は正しい肥満の指標をお教えしましょう。

 

 肥満の度合いを示す指標としてBMIというものがあります。計算式は、以下のとおりです。一度、お試しください。

 

      BMI=体重(㎏)÷(身長(㍍)×身長(㍍))

 

(例)

 

  体重57㎏、身長162㎝の場合

 

    57÷(1.62×1.62)=21.719

 

 BMIの正常値は、18.5~24.9の間なら、理想の数値となります。理想は、22.0だそうです。

 

この範囲に入らず、下限値以下(18.5)なら「やせ」、上限値(24.9)を超えれば「肥満」ということになります。あなたは、どの範囲になりますか?

 

 過剰なダイエットは、若い頃はそうでもないようですが、年齢を重ねていくと若い頃の無理なダイエットが祟り、様々な病気や皮膚の老化を加速しますよ。

 

 

 

                                        (2017/08/04 無双庵 筆)

冷蔵庫の過信

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鬱陶しい梅雨時期がきた。しかし、この梅雨は、農作物には恵みの時期で大きく育つ時期でもある。

 

 しかし、ところどころで大雨をもたらし、甚大な被害も出ており、全てが良しとは言いがたい。

 

 同時に、この時期は、食中毒にも注意をする必要がある。冷蔵庫は、戦後の食文化に画期的な力を発揮した。テレビ、洗濯機と並んで家庭の3種の神器とまで言われた時期がある。

 

 冷蔵庫の過信は、やめた方が良い。なるべく早く、食品の賞味が落ちない時期に食べた方が良いことは、言うまでもない。

 

 冷蔵庫は、ゆっくりと腐敗させる保冷庫程度に考えた方が無難だと思いますよ。

 

 

 

                                   (2017/7/31 無双庵 筆)

もう一つの「ちさんちしょう」第2弾

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地産地消という言葉は、よく耳にしたり、目するが「ちさんちしょう」にはもう一つの「知産知消」がある。

 

 前者の地産地消は、地元で生産された農産物を地元で消費するという意味合いであり、一般的に使われている。後者の知産知消は、産地を知り、消費者の意向を知るという意味である。

 

 これまでの農業は、「私作る人、あなた食べる人」的な要素が多分にあった。農家は、農協に出荷したら、それで終わり、自分が丹精込めて作った農産物がどこで、誰に食べられているか知るよしも無かったし、知ろうともしなかった。しかし、今は、違う。マーケットインの時代である。売れる農産物を作る時代になっている。消費者が何を求めているかを知る必要がある。

 

 一方、消費者は、わがままを言えば良いというものでもない。農業の現状を正しい情報に基づき、十分に知る必要がある。消費者から、「安くて、無農薬、有機栽培のものが欲しい。」と要求されても、自ずと限界がある。私が、農林水産省の職員であった頃、講演先で「農林水産省は、なぜ無農薬・有機栽培の農産物の生産奨励をしないのか?もっともっと力をいれるべきだ。」と質問されたことを思い出した。

 

その時、私は、『消費者のお気持ちは十分理解できるが、これらの農産物を生産するには、大変な労力とコストが掛かる。国民が食べる農産物を全て無農薬・有機栽培すると、生産が追いつかなくなり、供給不足となる。生産する農家も「業」としてやっている。消費者の皆さんも生産現場を知ることが大切だ。』と、回答したことを覚えている。

 

正に、知産知消である。「消費者が農家を育てる時代だ。」と、私は、信じている。

 

 

 

 

                                     (2017/7/22 無双庵 筆)

アレルギー

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私たちの体は、ウイルスや細菌等の有害物質に対し、体内で抗体を作り守ろうとします。すなわち免疫ができるのです。

 

 アレルギーとは、こうした有害物質(アレルゲン)に過剰に反応し、それが身体に影響を与える防御反応を言います。

 

 食べ物の場合は、主に卵、小麦粉及びそばアレルギーなどが有名です。では、なぜこのようにアレルギーが多くなってきたのでしょうか?

 

 これと言って、原因は明確ではありませんが、考えられることの一つに食文化が高度化してきたことが挙げられます。

 

 昔は、ご飯に味噌汁、魚、漬け物といった1汁2菜の質素で健康的な食生活でしたが、今は、肉類や乳製品等の摂取量が増え、日本人の多くは、まだまだ、これらの食品に十分に順応仕切れていないことが考えられます。

 

 小さな子どもに多い卵アレルギーを治す手段としては、完全に食べさせないより、アレルギー反応が起きない程度に少しずつ摂取させた方が良いとも言われています。

 

 現に、私のお孫ちゃんも卵アレルギーでしたが、時間を掛けて、少しずつ食べさせてきましたが、その結果、今ではプリンやケーキも食べられるようになりました(医学的根拠はない。)。

 

 

 

                                  (2017.7  無双庵 筆)

こどもの貧困

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日本は、世界に誇る経済大国となって久しい。が、しかし、貧困の格差はますます大きくなってきている。

 

 小生が子供の頃は、貧しくて修学旅行にも行けなかった同級生がいたが、周りがみんな貧しかったから、さほど、気にも留めることがなかった。

 

学校給食が始まったのは、小学校の6年生からだったと記憶している。脱脂粉乳のまずかったことを今でも覚えている。それ以前は、「おにぎり」しか持って来られない同級生には、お弁当のおかずを少しずつ分けて食べた記憶もある。

 

それでも、誰も貧困とは思っていなかった。なぜなら、周りがみんな似たり寄ったりの環境で生活していたからである。

 

今は、富める者と貧しい者の格差が拡大し、放置出来ない状態ではないだろうか。

 

特に、母子家庭(父子家庭を含む)や両親が病気で入院している家庭など、いろいろな事情で生きていく上で欠かせない「食」すら、まともに摂れない子供までいるという。

 

ボランティアで「こども食堂」を開設し、そこで必要な栄養を補給している子ども達の映像を見た。また、最近では、小学生に10円で提供するたこ焼き屋さんが居るとのニュースも放映されていた。富める国、日本がこれで良いのか?甚だ疑問だ。

 

行政の本来の目的は、富の再配分であると信じている。改憲を論ずる前に、弱者にこそ、厚い手をさしのべられる行政であって欲しい。

 

ましてや子供は将来の日本を背負っていただける人的財産ではないか。ボランティアに頼ることも否定はしないが、国をはじめとした行政が、「こどもの貧困」ともっともっと向き合うべきだ。

 

 

 

                                (2017.6  無双庵 筆)

水と空気はタダ?

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多くの日本人は、水と空気はタダと思っていませんか?私は、昨年、プライベートな用件で上海に行ってきましたが、空気の悪さには驚かされました。

 

 100メート先のビルが霞んで見えない程と言ったら、どれくらいかは想像が付くと思います。

 

 今でこそ、きれいな空気を満喫していますが、高度経済成長期の日本も、実は同じことだったのです。

 

 都会に生活をしていると当たり前と思っているでしょうが、きれいな水や空気は、全て、山(田舎)で作られているのです。

 

 その山は、今、人の管理が行き届かなくなって疲弊しきっています。里山の管理も同じです。

 

私は、能登半島の先端に生まれ育ってきました。私が子どもの頃は、能登の海や山は、今になって思うと本当にきれい(今も、そこそこきれいです。)でした。

 

能登の山や海は、私たちが生きていく上で必要な水や空気はもちろん、日々の糧を与えてくれました。

 

そんな田舎も、極端な高齢化により、今や、里山の管理が不十分でイノシシが我が物顔で人里にまで出没しているようです。里山の管理が行き届いていれば、獣は、人里にまで顔を出さないものです。

 

 

東京で美味しい水が飲めたり、きれいな空を腹一杯吸えるのは、健全な山や里山の自然があるからです。このことを是非、知っていただきたいのです。

 

 

水や空気は、決してタダではありません。山や里山を管理する人たちがいてこそ、はじめて成り立つことなのです。消費するだけの都市だけでは、人間の生活は成り立ちません。

 

                                    無双庵 筆

 

 

舌で知る季節感

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日本人は、舌で季節感を感じる民族であると言っても過言ではありません 。

 

 寒くて厳しい冬をやり過ごし、春を迎えるとまず顔を出すのが「蕗のとう」これを「蕗のとう味噌」で春を感じる。しばらくすると、ヨモギが顔を出す。ヨモギを入れた「草餅」。

桜が咲く頃は、塩漬けした桜の花をあしらった「桜餅」やお祝いの席で振る舞われる「桜茶」、5月の子どもの日の頃には、柏の葉に包まれた「柏餅」など日本では、季節を楽しむ食文化が根付いている。

加えて、「柿の葉すし」や「笹の葉寿司」は、殺菌作用があり、先人は、防腐効果もあることを知っていたんですね。

食文化は、一朝一夕にできるものではありません。だからこそ、食文化を伝承していくことが大切なんです。

 

                                     無双庵 筆

 

 

口中調理

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聞き慣れない言葉かも解りませんが、実は、私たちが毎日食べている3度の食事のことです。

 

 どんなにケーキが好きな人でも毎日食べていたら必ず飽きて、「もう食べたくない。」と思うことでしょう。でも、多くの日本人は、炊きたての白いご飯に飽きたという人はいないと思います。

 

 これは、口中調理があるからです。白いご飯に「明太子」とか白いご飯に「いぶりがっこ(秋田地方におけるたくわんを燻製したもの)」など、口の中で色々な味でご飯が食べられることを言います。だから、死ぬまでご飯を食べ続けていても飽きが来ないのです。

 

余談ですが、私は、この二つのおかずと味噌汁があれば、お茶碗に2杯は軽くご飯が食べられます。

 

 時には、刺身味で、時には焼き肉味でというように、どんなおかずとでも相性の良いのが白いご飯です。

 

 そんなご飯(お米)の消費量が年々、減少していることが気になります。皆さんも口中調理をしてご飯をいっぱい食べてください。

 

                                              無双庵 筆

 

 

農耕民族と狩猟民族

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日本人は、言うに及ばず農耕民族の代表格である。農耕民族と狩猟民族は、身体的特徴や考え方にも随分な違いがある。

 

 例えば、農耕民族の腸は、狩猟民族より1.5㍍ほど長い、長い腸を体内に格納しなくてはまらないから、胴長短足の体型となっている。これは、穀物などの消化吸収を促進するのに適している。近年、肉類を中心とした欧米型の食生活となっており、きっと体が悲鳴を上げていることだろう。

 

 人間の身体は、短期間では順応できない。何百年何千年の歴史の中で環境に適した身体になっていくのだ。

 

 外にも、色々な違いがある。目は、農耕民族は広域視野を持っているのに対し、狩猟民族は、動体視力が優れている。

 

 筋肉の構造も違う。農耕民族は、持続力のある筋肉であるのに対し、狩猟民族は、瞬発力のある筋肉をしている。だからマラソンのようなスポーツは農耕民族が比較的適しているが、サッカーや短距離走は、絶対的に狩猟民族が強い。

 

 性格も、農耕民族は協調性を持っているのに対し、狩猟民族は、どちらかというと攻撃型の性格をしている。

 

 食習慣も違う。農耕民族は、ご飯(米)を中心とした主食という概念を持っているが、狩猟民族には、主食という概念はない。

 

 ざっとあげ連ねてもこれだけの違いがある。日本人なら、農耕民族にふさわしい穀物を中心とした食生活をお勧めしたい。

 

                                                                                    無双庵 筆

 

 

免疫力UP

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昔から「医食同源」という言葉があり、健康で過ごすには毎日の食事が大切だということです。

 

 多くの病は、自らの免疫力を失い、ウイルスに感染したり、がん細胞が増殖したりして発症します。免疫力さえ維持できれば多くの病気から解放されるはずです。

 

 そこで、今日は、免疫力をUPする食材をいくつか紹介しますので、それらの食材を毎日バランス良く摂取して下さい。

 

 ビタミンC:ミカン等の柑橘類、イチゴ、レンコン

 

 β―グルカン:大麦、シイタケ等のキノコ類

 

 ポリフェノール:大豆類(豆腐、納豆)、ブドウなど

 

 アリシン:長ネギ、ニンニク

 

 ビタミンB:そば、インゲン

 

 β―カロテン:ニンジン、ホウレンソウ、モロヘイヤ、カボチャ

 

 ビタミンE:アボガド、アーモンド

 

 ムチン・フコイダン:ナメコ、ヒジキ、山芋、昆布(ネバネバが良い)

 

 発酵食品:ヨーグルト、みそ汁、糠漬け、梅干し

 

 その他:ブロッコリー、キャベツ、カブ、大根

 

勿論、タンパク質系も必要です。おすすめは鶏肉(免疫力を高めるアミノ酸を多く含んでいる。)が良いらしいですよ。

 

これらを食べて免疫力を高め、病気に負けない身体を作りましょう。

 

                                     無双庵 筆

 

 

スローフードの勧め

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私の先輩の名言を一つご紹介します。「若い頃は、お金が無くて美味しいものが食べられなかった。歳が経って経済的に少しゆとりが出てきた頃には、医者から食事制限が掛けられ、やはり美味いものが食べられない。結局、いくつになっても、美味しいものは食べられないということだ。」

 

 何をもって「美味しいもの」と言っているのかは、推し量る術もないが、一般的に、美味しいものには、必ず副作用(?)があるものだ。霜降りの松坂牛は、確かに美味しいが毎日食べれば、必ず病気になります。

 

 身近なところでは、コンビニの弁当やカップ麺等は、ファーストフードの代表格で、これらも、美味しく味付け(濃い味)されており、毎日、食べ続けると、どこか体に異変が生じることになることは、疑う余地がありません。

 

 そこで、お勧めしたいのは、スローフードです。この思想は、イタリアの北西部のブラという地域で提唱された食べ方です。

 

 環境に優しく、伝統食を重んじ、自然に近いものを時間を掛けて調理し、それを食べるという考え方です。

 

 画一的なファーストフード(速い)に対してスローフード(ゆっくり)と称しています。

 

 日本流で言えば、田舎の伝統食をその地域で生産された農産物で自ら調理し、おふくろの味で食べるということだろうか。

 

 

 

                                     無双庵 筆

 

医食同源

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「医食同源」の語源は、中国の「薬食同源」からきた造語です。

 

意味するところは、バランス良い食べ物を摂っていると病気にもならず、「医者いらず」だということです。

 

似たような意味合いで、お隣の韓国で良く使われている四文字熟語で「身土不二」という言葉があります。

 

この言葉の意味は、地域で獲れた旬の食材や伝統食を食べていれば身体に良いということです。

 

どこか、今流の「地産地消」にも似ています。先人は、ちゃんと「食」の大切さを知っていたんですね。

 

いずれにしても、地域で獲れた食材を旬にバランスの良い食事をすることが基本なのですね。

 

それに、比べ、現在の「食」事情はどうだろうか?

 

今夜、皆さんの夕餉の食卓に乗った食材を見て下さい。おそらく上の二つの熟語と縁遠いものになっていませんか?

 

                                    無双庵 筆

 

駅弁で知る地産地消

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私は、若いころから旅行が好きで、どんなに忙しい時でも、つかの間の間隙をぬって非日常を求めてちょっとした小旅行に出かけていた。

 

 今でも、その癖は残っており、たまに愛車オデッセイとともに、あちらこちらに出没している。

 

 その際、必ずといって良いほど駅弁を買うことにしている(車でもわざわざ駅に立ち寄って買うこともある。)。それは、お腹が空いた時は言うに及ばず、目に留まれば買っている。買う時は、単に幕の内弁当ではなく、その地方の自慢の名物弁当にしている。

 

 何故かといえば、その弁当には、ほとんどがご当地の食材が使われているからだ。

 

それを食べることによって、「この村には、この町には、この市には、こんな農林水産物が生産されているのか。」ということを知ることができるからだ。

 

 数年前(震災前)、岩手県の三陸方面に出かけたとき、どこの駅かは覚えていいないが、焼きホタテの弁当に出くわした。絶品の味だったことを私の舌が、今でも鮮明に覚えている。

 

 その土地の名物駅弁には、必ずといって良いほど、その土地の山海の珍味が使われており、「地産地消」の権化みたいなものだ。

 

勿論、駅弁には欠かせない「ご飯」もその地方で生産されたお米が使われていることが多いですよ。

 

 駅弁を侮ってはいけません。駅弁は、昔から「地産地消」なのだ~。

 

                                      無双庵 筆

エビとマングローブの林

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日本人は、とにかく「エビ」が好きな民族だ。天ぷらうどん、天丼など必ずといって良いほど「エビ」が付いている。特に、タイ、ベトナム等の東南アジア輸入されたブラックタイガーが圧倒的だ。

 

その量たるや実に21万トンにもなる。日本は、世界一のエビの輸入国となっている。

 

日本人がエビを食べる都度、東南アジア諸国のマングローブの林が今日も消えていることをご存じだろうか?

 

日本にエビを輸出するためにマングローブの林がエビの養殖池に変わっているのだ。エビは、汽水域でしか養殖されないから、このような結果となって現れているのだが、何とも、忍び難いものを感じる。

 

僕は、一匹のエビを我慢してでも、1本のマングローブの苗を選びたい。なぜなら、エビの代替食料は、他にもいっぱいある。しかし、マングローブの林は、地球に綺麗な空気を供給する役割を果たし、汽水域に張った根は、小魚の棲家として、立派な生態系を維持しているからだ。

 

                                      無双庵 筆

フードマイレージ

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フードマイレージという言葉があることを知っていますか?

 

 これは、食料を輸入する際にどれだけ環境に負荷を掛けているかを数値化したものです。食料の生産地から消費地までの距離と輸入した食料の量によって表します。単位は「㌧・㎞」となっています。

 

 食料自給率39%の日本は、圧倒的に多くの食料を海外に依存しており、その分、環境にも大きな負荷を掛けており、世界一の数値となっています。

 

 日本のフードマイレージは9000億㌧・㎞と言われており、韓国、アメリカの3倍、イギリス・ドイツの5倍、フランスの9倍となっており、多くは穀物によるもので、アメリカ、カナダ及びオーストラリアと遠くの国からの大量に輸入することによって数値が高くなっているのです。

 

 日本人の胃袋を自前(国内産農産物)で賄えば、それだけ、環境に与える負荷も小さくなるのです。食料自給率を高めることは、イコール環境問題でもあるのです。

 

 皆さんの日々の食卓から、「食べ物は国内産で」を合言葉にして、自分で出来る範囲で結構です。まずは、考えてみることから始めてみましょう。

 

                                     無双庵 筆

笑えない本当の話

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この話は、私が農林水産省に勤めていたころ、東北のとある「道の駅」で草餅をお買いになられた主婦の方からの苦情の電話でのことです。

 

 主婦曰く、「今朝、道の駅で草餅を買って、夜に食べようと思い、冷蔵庫に入れておいたところ、固くなって食べられなくなっていた。このような食品を売っているお店を指導して欲しい。」との強い憤りをもっておられました。

 

 たまたま、その苦情の電話を受けたのが私で、苦情に対する答は、「奥さん、それは良いものをお買いになりましたね。そのお餅は、100%もち米で作られた本物のお餅だから固くなったのですよ。焼くと柔らかくなりますよ。」

 

 「スーパー等に売られているのは、固くならないようにコーンスターチ等の他のでんぷん粉を混ぜているから、いつまで経っても柔らかいのですよ。」と答えてあげた。

 

 主婦は、恥ずかしかったのか、何も言わずに電話を切ってしまった。

 

 このように、この頃の食品は、何が本物で何が本物に見せかけた偽物かが分からなくなっている。

 

 偽物にならされていると、偽物が本物になってしまうから恐ろしい。

 

私は、嫁いだ娘に何一つ教育らしいことはしてやれなかったが、「着る物は清潔であれば、何でも良い。食べる物だけは、絶対にケチるな。」とだけ教えてやりました。

 

 それと、単身赴任中にせっせと作った手料理や田舎の郷土料理の作り方を書き留めたオリジナルな料理のレシピー集(親父の手料理)をプレゼントしてやりました。

 

今、それが、使われているかどうかは分かりません・・・?

 

                                   無双庵  筆

便所飯

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ここ数年、いや以前からあったという説もありますが、「便所飯」なる言葉があります。

 

 読んで字の如く、便所の個室に籠って一人で弁当を食べることを言います。この頃の大学では「便所飯禁止」とい張り紙まであるそうです。

 

 これは、精神科医に言わせると立派な精神疾患の一つで「ランチメイト症候群」と言う病名まであるとのことです。

 

 そもそも、この病気は、公園等、公の場所で自分一人でお弁当を食べている姿を人に見られることにより、「この人は、お友達がいない。淋しいい人なんだ」と世間から思われたくないから、誰にも見られない便所の個室でひっそりとランチを済ませる。

 

かと言って、お友達を誘うこともできない。ある種の恐怖心からくる行動とのことらしい。

 

 それにしても、現代人は、どこかおかしくなってきているような気がする。電車の中では、「耳にイヤホン、目はスマホを追っている。」といった光景をよく目にする。

 

これでは、外部からの情報を完全に遮断した中で生活をしているようなものだ。このようなことでは、便所飯を食べている人が現れるのも、無理ならざるを得ない状況かも・・・?

 

 気候も良くなってきましたよ。さくら吹雪の下でお友達と楽しくお弁当を食べた方が美味しく頂けますよ。

 

どうしてもお友達を見つけられない人でも、公園のベンチで一人、お弁当を食べていても、世間の人は、そんなに気にしていませんよ。むしろ、便所に籠ってお弁当を食べている姿の方が、余程、奇異に感じますよ。

 

                                   無双庵 筆

カレー粉は漢方

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カレーライスは、子供にとっては、最高のご馳走です。この頃の子供は、お寿司と言うかもわかりませんが、やはり、カレーライスでしょう。

 

 還暦を過ぎた小生もカレーには目がありません。毎週、1度は、職場の近くの本場のインド人が経営されているカレー屋さんに足しげく通っています。

 

 カレーを家庭で作るときは、ほとんどが某食品メーカーのカレールーが定番ではないでしょうか?

 

 ところで、カレー粉には、何種類のスパイス(香辛料)が入っていると思いますか?

 

ターメリック、クミン、コリアンダー、クローブ(丁子)、サフラン、ジンジャー、チリ(唐辛子)、マスタード等々20種類程のスパイスが調合(スパイスの数は、いろいろあります。)されています。

 

 これらは、実は、ほとんどが漢方薬なのです。例えば、ターメリックは鎮痛、コリアンダーは胃薬、クミンも胃薬、クローブは消炎等、その外、発汗作用のあるものなど、身体に良いものばかりの組合せなのです。

 

 これから、暑い夏がやってきます。夏に向けて最高の食事といって良いでしょう。あの暑いインドで食べられている理由が解りますよね。

 

                                                    無双庵  筆

自給力の危機

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日本の食料自給率は39%となっている。これは、カロリーベースでの計算である。日本人の人口を解りやすく約1億人とすると3,900万人しか養えないということである。

 

 実に、危うい数値である。国会では、盛んに自衛隊を海外に派遣するための法制化の議論が進んでいるようである。大義は、邦人の救出や同盟国の後方支援などの安全保障らしいが、真の安全保障とは、自国民の胃袋を自らの力で賄うことが出来る体制を確立することではないか。

 

 日本は、経済合理主義の名の下に、海外から安い農産物を大量に輸入し、工業製品を海外に売り、国の富みを得てきた。国民も、それに満足し、物質的な富に踊らされてきた。

 

 しかし、気が付いてみれば、農家の高齢化が進展し、今や、日本人の原風景でもある里山までもが消えつつある。それどころか、農村では、過疎化が進み、共同生活や社会活動を維持することが出来なくなる「限界集落」まで現れる現象が起きている。食料の自給率を議論している内は、まだ幸せだ。

 

農地は、耕す人が居なくなると立ちどころに荒廃してしまう。ある日、気が付いて農産物を再生産しようとしても、元の生産力を回復させることは出来ない。

 

一度、荒廃した農地を元に戻すには、大変な労力と時間を要する。

 

日本の農業や農村が疲弊しきった状態にあり、このまま行くと農地が、自給する力を失ってしまう。

 

今なら、かろうじて間に合うかもしれない。日本人ひとり一人が自分のこととして、日本農業の現状を見つめ直して欲しい。大切を改めて考えて欲しい。

 

 

                                                   無双庵 筆

さくら餅

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永い冬もやっと終わりを告げようとしています。

 

 東京でも、ソメイヨシノがチラホラと咲き始めました。この時期になると気になるのが「さくら餅」です。

 

 旬に旬のものを食べる。何よりのご馳走です。

 

 ところで、「さくら餅」に良く似た「道明寺」というお餅がありますが、どこが違うかご存知でしょうか。

 

 「さくら餅」は、餡を包んでいる皮が小麦粉で出来ていますが、「道明寺」はもち米を水に浸し、蒸したものを乾燥させて粉にしたもので餡を包んだお餅です。

 

 道明寺粉とも言い、元々は僧侶が食していた保存食なのです。関西では、「さくら餅」のことを「道明寺」と呼んで親しまれていますよ。

 

 ちなみに、「さくら餅」は、塩漬けされたさくらの葉っぱが付き物ですが、この葉っぱには、「クマリン」という成分が入っており、抗菌作用や血栓を抑える作用があります。だから、一緒に食べても大丈夫ですよ。

 

仄かなさくらの香りがし、春を感じさせる逸品です。

 

これは、同時に、自然の防腐剤ともなっています。先人の知恵には、実に驚かされます。

 

                                     無双庵 筆

原子から出来ている身体

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森羅万象!!

 

この世の全ての物質は、原子からできています。私たちの身体も例外ではありません。

 

私たちの身体を構成する組織を分子レベル、原子レベルでみると、毎日、すさまじい勢いで置き換わっていると言われています。

 

 骨は、比較的遅いが内臓なんかは1週間程度で置き換わると言われています。原子レベルで見ていくと1週間前の自分は、そこには、もういないことになります。

 

 私たちの身体の60%は水と言われていますから、水素(H)、酸素(O)、その外に、炭素(C)、窒素(N)、カルシュム(Ca)、リン(P)等多くの原子で作られています。

 

 これらの原子は、身体を構成する骨や筋肉になったり、歩いたり、走ったりするためのエネルギー源となっているのです。

 

 これらの供給先は、全て、毎日食べている食糧からです。それ以外に、供給されるとこころはありません。

 

だから、毎日、しっかり栄養を考えて、私たちが生きている限り、食べ続けて行かなくてはならないのです。

 

原子レベルで私たちの身体を考えていくと食べることの大切さが良く解るような気がしませんか?

 

                                    無双庵 筆

サプリメント

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昨今、テレビのコマーシャルや通販番組でサプリメントがもてはやされている。やれ、コンドロイチンだ。コラーゲンだの。さも、身体に良いと言わんばかりの膨大な情報が流されています。

 

 とかく、日本人は「体に良い」の一言がとても好きな民族だと思います。私に「サプリメントが本当に体に良いか?」と問われたら、「気慰め程度には、良いかも」と答えるでしょう。

 

 よくよく考えてください。人間の身体は、約60兆個の細胞の集合体です。この細胞の一つ一つに栄養が行き届かないと人間は、確実に死んでしまいます。

 

 口から入った食物は、まず、胃袋で消化され、腸から吸収され、栄養成分が血液によって体の隅々まで運ばれ、目に見えない小さな細胞が、それを吸収する。すなわち、代謝が行われるのです。

 

 と言うことは、コラーゲンを飲んだからコラーゲンとして吸収されるのではなく。細胞より小さな分子にまで分解され、細胞から吸収され、身体に必要な成分に再度合成されて、初めて、コラーゲンとしての役割を担うのです。

 

 何が言いたいかと申しますと、サプリメントに頼らず、バランスの良い食べ物から栄養を摂取して欲しいということです。

 

 それに、サプリメントには、間違いなく大量に食品添加物が使用されていますから体に良いとは、言い難い面があります。

 

 大量にこうしたものを体内に入れて身体に良いわけがありません。サプリメントは、あくまで、補助程度に考えた方がいいと思いますよ。

 

 なお、私は、医者ではないので、正確性を欠いているかもわかりませんが、そこは、聡明な読者に委ねます。

 

                                                  無双庵  筆

消費期限と賞味期限

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食品の表示に「消費期限」と「賞味期限」があります。似通っていますが意味合いは全く異なります。

 

 「消費期限」は、お弁当や生洋菓子など「足の速い(腐敗等しやすい)」食品に用いられます。だから、なるべく表示されている期限内に食べないと安全性が担保されない恐れがあります。

 

 一方「賞味期限」は、スナック菓子や乾燥麺などの比較的保存期間の長い食品に用いられ、その期間内であったら同じ味で同じ品質で食べられますよとした品質保証のようなものです。多少の期間を経過したものであっても、十分食べられます。

 

「賞味期限」については、私は、あまり気にしない方ですが、中には、神経質に少しでも期限を過ぎたものは、食べないという人もいます。

 

それは、決して間違ったことではないので、ここでは、指摘致しませんが、ことさらに過剰防衛をする必要はないと思います。

 

普通、食品を製造するメーカーは、自ら試験を行って品質等が変化しない期間を算出して「賞味期限」を表示しますが、例えば、「賞味期限」6か月とあった食品については、本当は、8か月間は、品質に影響しないというデーターを得られても、ある程度の安全係数を掛けて6か月としている場合が多いのです。

 

最近、この「期間」が大きな問題となっています。実は、コンビニの弁当です。コンビニの弁当は、店頭への配達時間まで指定され、「消費期限」も極めて短いものとなっています。

 

売れ残ったものは、豚の餌に回されればよい方で、ほとんどは、廃棄されてしまいます。実に、「もったいない」話です。

 

因みに、食品残渣(残飯)を出している国の一番は、何とも皮肉な話ですが、食料自給率39%でしかない日本です。お店では、ホテル等の結婚式場とコンビニです。

 

コンビニから出される食品残渣は、毎年17万トンとなっており、これだけで、5千万人の飢餓に苦しんでいる人々の胃袋を賄うことができます。

 

考えさせられますね。

 

                                  無双庵  筆

小麦は食べるな????

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ネットを見ていて突然「小麦は食べるな!」というショッキングなキーワードが飛び込んできた。

 

何でもアメリカのDr.デービスの著書らしいが、原題は「WHEAT BELLY」つまり直訳すれば「小麦腹」となる。

 

 しかし、日本語で翻訳された本では「小麦は食べるな!」となっており、ショッキングなタイトルに、なぜそうなるのか?驚いている。

 

 確かに、アメリカでは肥満が大きな社会問題になっていることは事実であるが、決して、小麦が肥満やあらゆる病気の原因であるかのような考え方には賛成できない。

 

 肥満は、簡単に言えば摂取カロリーの供給と需要のバランスが崩れ、食べたものが脂肪として体内に蓄積された結果の話である。

 

食べた分を適度な運動でエネルギーを消費すれば、肥満は解消される。何でも食べ過ぎてはいけないのは、当たり前の話だ。それを、小麦に特化して悪者は全て小麦であるかのような話は言語道断だ。

 

たんぱく質、炭水化物(小麦やコメ)、脂質は、3大栄養素であり、これらをバランス良く摂取することによって健康や日常活動が維持できるのだ。

 

賢明な識者は、このような情報に惑わされることはないと思うが、一文を書かずにはいられなかった。

 

なお、前述した著書に表紙にある「遺伝子組み換え小麦」は、現在、全く市場に流通していないことを追記する。

 

                                    無双庵 筆

知産知消

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私は、あちらこちらで食育の講演を頼まれて、お話しをする時には、もう一つの「チサンチショウ」がありますよと紹介してきました。

 

一般的に使用されている「地産地消」は、地元の食材を地元で消費するという意味で使いますが、私の唱える「知産知消」は、「産地を知り、消費者を知る。」という意味を含んでいます。

 

これまでの生産者は、米であれ、野菜であれ、生産して農協などに出荷すれば、それで終わり、後は、野となれ山となれ的な発想でした。

 

一方、消費者はというと、何も考えずに近くのスーパーで少しでも安いもの求め、食卓に並べていました。言うなれば、全ての者が「食」に無関心を決めつけていました。

 

これからは、生産者は、消費者が何を求めているのかを知り、消費者は、この食材がどこで、誰の手によって、どのようなルートで生産され、流通しているかを知ることが大切になってきます。

 

「私、作る人、あなた食べる人」の時代は終わりました。全ての国民が、もう少し「食」に関心を持つべきです。

 

                                     無双庵 筆

「食」という字

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「食」という字をよく見ていただきたい。「人」を「良く」すると書きます。豊かな食生活を営んでいないと良い人は、存在しないのです。

 

 現に、飢えに苦しんでいる貧困国では、暴動や略奪、内戦が頻発しているではありませんか。豊かな食生活を営みなさいといっても、決して、毎日、高級なフランス料理や懐石料理を食べろと言っているのではありません。

 

 豊かな食生活とは、心が豊かになる食生活ということです。極端な例で言うと、沢庵と味噌汁だけでもいいんです。

 

家族揃って、笑顔で語らう楽しい食事こそが豊かな食事なのです。そこに可能な限り、栄養バランスを考えて、身の丈に応じた食生活をしていただきたいのです。そして、常に満足した食生活をおくれば、必ずや心が豊かになり、命の尊さも悟ことができるでしょう。

 

 京都の龍安寺という臨済宗妙心寺派のお寺に「吾唯知足」と刻まれた蹲踞(つくばい)があります。これは、水戸光圀(黄門様)が寄贈したものらしく「足ることを知っている者は、卑しくとも富めり、足るを知らない者は、富める者であっても貧しき」という意味らしい。

 

 どこか、豊かな「食」に通じるものがあると思いませんか。

 

                                      無双庵  筆

食べ方

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以前、この世の中に、「絶対安心という食べ物はない。」ということを言いましたが、例えば、生きていくうえで不可欠な水も飲みすげれば死に至ることがあります。

 

 また、空気に含まれる酸素も無くては、私たちは、生きていけません。こうした酸素ですら、20億年ほど前の太古の時代は、生物にとって極めて有害なものでした。進化の過程で、ミトコンドリアという細胞を体内に持つことによって、酸素を無毒化し、エネルギー源としてきたのです。

 

 それでも、必要以上の酸素は、活性酸素となり、私たちの体を錆びさせてしまう原因物質となってしまいます。

 

 何が言いたいかというと、「私たちが口にする食品に絶対安全と言われるものはない。」ということです。常に、ある程度のリスクがあることを承知の上で、それを上回るベネフィット(恩恵)を期待したら良いということです。

 

 話は変わりますが、ある日、無性に何かが食べたいという衝動に駆られたことがありませんか?

 

 これは、まさに身体がその食べ物に含まれている「ある栄養素」を必要としている悲痛な訴えだと思って下さい。逆に、体調がすぐれず、何も食べたくないという時は、基礎的代謝に必要な程度を摂取し、無理に食べることはありません。自分の身体を信じて食べ物や食べ方を選んで食べた方がベストだと思いますよ。

 

こう言うと、好き嫌いを推奨しているようですが、それは違います。あくまでも、バランスよく食べることが大前提ですよ・・・。

 

                                    無双庵  筆

農産物の特性

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農業は、天候に左右され、自然を相手に生産する産業です。工業製品のようにスイッチを入れれば、コンベアで同一規格のものが、いつでも、大量に生産されるような産業とは違います。

 

 例えば、りんご農家が、1年間、丹精込めて栽培してきた「りんご」があったとしましょう。出荷直前に台風が襲い、リンゴが、落果したり、傷だらけになってしまい、その「リンゴ」は、一瞬にして商品価値を失い、農家の収入は0となってしまいます。

 

 また、1本150円で売られている大根があったしましょう。その大根を東京のスーパーまで運ぶための箱代や運賃、集荷手数料等を引き、更に、スーパーは野菜などの鮮度が落ちやすいものの値決めは、概ね、半分程度売れれば、採算が取れるような価格設定をしていますから、ますます、農家の手取額が下がってしまいます。こうしたことを考慮すれば、農家の手取りは、1年間、頑張ってきて、せいぜい1本当たり、20~30円程度にしかなりません。

 

 ここから、肥料代や資材費を引くと、1本150円の大根は、労賃にも満たない販売価格になるのではないでしょうか。

 

 このように危うい農業を経済至上主義の下、鉱工業と同列に論じることは大きな間違いだと思いますが、皆さんは、どうお考えですか・・・?

 

                                    無双庵 筆

農薬は悪か?

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食の安全・安心関係の講演にお伺いすると、どの会場でも妄信的に「農薬は全て悪である」かのようなお考えの人たちが相当数おいでます。

 

 もし農薬がなかったら、おそらく1億2千万人の日本人の胃袋を賄うことはできないと思います。

 

 日本の農業の発展や収穫量の増加は、農薬と比例して伸びてきています。なぜなら、限られた耕地面積の中で単位当たり収穫量を伸ばす以外に食糧(食料)を増産する術がないからです。

 

 日本で農薬として登録されている数は、約4200種類ほどあります。但し、有効成分で分類すると約500種類程となります。傾向的には年々、減少する傾向にあります。

 

 一口に農薬といっても、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、成長促進剤などなど目的と用途によって多種多様な農薬があります。

 

 農薬は、基本的には、時間の経過によって作物の体内での代謝、光や微生物による分解及び空気や水による分解等により残留性が極めて少なくなります。

 

日本で登録されている農薬は、残留性の少ないものしか登録されておりませんのでご安心下さい。

 

 したがって、農薬の使用基準を順守していれば、特に、目くじらを立てて忌み嫌うものではありません。

 

 但し、農薬が使用されているものといないものでは、それは無農薬が体に良いことは論を待ちませんが、作物や果物を無農薬で育てるには、大変な労力と時間を必要とします。その分、ベラボウなコスト高となり、消費者の懐に響いてくるのです。

 

 農薬が全て悪ではなく、それを間違って使う人間が悪なのです。ましてや食品に、わざわざ、農薬を入れる輩がいるなどは言語道断の話です。

 

                                     無双庵 筆

MOTTAINAI

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東京オリンピックを招致する時のプレゼンで日本が使ったキーワードに「おもてなし」という言葉があったことを思い出した。

 

 「おもてなし」よりも、はるか以前に世界的に有名となった日本語があることをご存じだろうか。

 

 その言葉は、「もったいない」という言葉です。「MOTTAINAI」と英訳までされています。

 

 「MOTTAINASI」とされたのは、日本の「もったいない」の概念で適当な英語がなかったから、そのまま使ったとのことです。

 

 この言葉は、ケニアの環境大臣ワンガリ・マータイさん(環境分野でノーベル平和賞受賞)が2005年に来日した際に感銘を受けた言葉だそうです。

 

この美しい日本語を環境問題等を議論する際の「世界共通語」にしたいと考え日本には「MOTTAINAI」という素晴らしい言葉があることを紹介したのが端緒となっています。

 

 それにしても、本家の日本で「もったいない」が死語に近い時代になっていることを憂いているのは小生だけだろうか?

 

小生が子供の頃は、おばちゃんから、何かにつけ聞かされた言葉だ。食事の際には、「もったいない」から残さず食べなさい。小さくなった鉛筆は「もったいない」から最後まで使いなさい。など、日常会話の中に「もったいない」が飛び交っていたものだ。

 

物質的な豊かさが心を貧しくしていくことに早く気が付くべきだと思います。

 

                                   無双庵  筆

食育と命の尊さ

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昔、福田赳夫内閣総理大臣は「人の命は、地球より重い」と言った。私がライフワークとしている食育も、実は「食」を通じて「命の尊さ」を理解してもらうことも大きな目標の一つである。

 

 しかしながら、過日、悲惨な事件が報道された。長崎県佐世保市において、高校1年生の女子がお友達を殺し、解剖したという内容だ。その背景に、家庭的なトラブルや実母の病死など加害女子の負の実体験があったようだが、動機は、一言「人を殺し、解剖してみたかった」とか・・・。謝罪の言葉すらないと言われている。言葉にもならない事件だ。

 

 そもそも、こうした事件を起こした子供に家庭での団らんや家族で食卓を囲み、「この豚肉にも命があったんだよね。」「この野菜も少し前までは生きていたんだよね。」「その命を頂いて私たちが生かされているんだよね。」とした親子の会話があったんだろうか?

 

あったとしたら、きっとこのような忌まわしい事件は、起きていなかっただろうと思う。

 

 また、中東においても報復の連鎖により、イスラエルがパレスチナのガザ地区を無差別に砲撃し、毎日のように尊い命が奪われており、既に、千人を超えると言われている。私は、正義の戦争などこの世の中には存在しないと思っている。

 

 一方、アフリカでは、内戦による貧困と飢餓で生きたくても生きられない多くの命がある。

 

今は、あまりにも人の命が軽くなりすぎてしまった。

 

食育の原点に返って「人の命の尊さ」を改めて見直す必要があると思う。

 

 

 

被害少女のご冥福をお祈りいたします。  合掌

 

                               無双庵 筆

ADI

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ADIとは、食品に含まれるある危害物質がどれだけ含まれているかの基準を決める際に用いる指標でAcceptable Daily Intakeの頭文字をとっています。日本語標記としては、「1日摂取許容量」といいます。

 

 具体的には、ある物質を生涯にわたって毎日摂取し続けても影響が出ないと考えられる一日当たりの量を体重1キログラムあたりで示した値なっております。単位は㎎/㎏/dayで表されます。

 

 算出方法としては、動物実験で悪影響が出る最大の無毒性量を定め、これに動物と人間の差や個人差を考慮して100倍の係数を乗じたものです。

 

 それでは、これがどのようなものかをご説明いたしましょう。まず、ADIを定める際の概念でいくつかの知っておくべきポイントがあります。

 

 一つは、生涯毎日食べ続けることを基準にしています。これは、現実に同じ食品を毎日食べ続けることは不可能なことで、それだけでも厳しい基準を設けているということが言える証左です。

 

二つには、体重差や多く摂取する者など個人差を考慮して、更に、100倍の係数を掛けて、より一層、安全性を高めていることです。

 

したがって、日本国内においては、基準値内であれば、どれだけ食べても安全だということが言えるのです。

 

ことさらに、過剰な反応をする必要もなく、毎日の食生活に影響を及ぼすような問題になることはありません。

 

                             無双庵 筆

食のグローバル化

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また、中国で私たちの食を脅かす事件が起きた。某大手外資系外食チェーン店や某大手コンビニが輸入していたチキンナゲット等が消費期限を大きく超えた鶏肉を使用したり、床に落ちたミンチした未来の塊を再び製造ラインに戻したり、極めつけは、アオカビの生えた牛肉を平気で加工していたり、製造工程を知らない私たちにはショッキングが報道であったことに間違いがない。

 

 食のグローバル化が招いた象徴的な事件と言えよう。グローバル化という言葉をよく耳にするが、英語表記では、「global」となり、和訳すると「地球規模」とでも申しましょうか。語源が地球を表す「globe」から来ているから間違いないでしょう。

 

 一方、日本には、昔から「食は3里四方」とか「身土不二」ということばがある。「食は3里四方」は、読んで字のごとく、私たちが口にする食べ物は身近なところが一番という先人の教えです。「身土不二」の意味は、「身体と環境(土)は一体であり、先祖代々、その土地で食べつがれてきたものを食べることが健康の秘訣である。」とした教えです。

 

よく似た意味で「地産地消」という言葉があります。私は「知産知消」と言い換えていますが、このネタは、いずれ別の機会に書かせていただきます。

 

いずれにしても、私たちが毎日口にする食べ物は、どこで生産され、誰の手によって、どのような方法で作られたものかが分からないと不安で口にすることはできません。

 

ましてや、食の安心・安全がモラルハザードを起こしているような企業で生産された食べ物は、きちんとチェックしていると言っても信用が置けません。

 

 

 

何かにつけ、グローバル化の時代だと声高に唱えている人がいますが、私は、「食」だけは先人の教えを守り、身近な「食」を追及して行きたいと考えています。皆さんも如何ですか?

 

                              無双庵 筆

リスクとベネフィット

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健康と美肌効果があるトマトには、リコピンという成分が比較的多く含まれており、これが美肌効果によろしいと言われる所以です。

 

 しかし、一方でトマトも害虫や雑菌から身を守らなくてはならないから、「トマチン」というアルカロイド系の有害物質も含まれているのです。

 

 一昔前までは、分析計も精巧なものがなく、せいぜいPPM(1/100万)単位までそれ以下は、検出限界(ND)として扱われてきました。

 

しかし、現在では、PPB(1/10億)単位の量まで検出できるようになりました。まさに「ナノ」の世界を覗いているのと同じなのです。ここまで来るとほとんどの成分が検出されてしまします。

 

 この話を、小生が現職の頃、某地方の主婦連の集まりがあって、そこで「食品の安全性について」の講演をした時にお話しさせていただいたことを思い出しました。

 

質疑応答の時間に勇ましく挙手をされ、「トマトに有害物質が含まれているとのお話は初めて伺った。どの程度食べたら危害を及ぼすのでしょうか。また、基準はあるのでしょうか?」という内容だったと記憶しています。

 

その時の私の明回答は、「あなたのお歳から判断して、毎日、死ぬまで食べ続けても、それが原因でお亡くなりになるようなことはありません。寿命が先に来ます。」とお話しし、会場で大爆笑を誘いました。

 

要は、何を言いたいかと申しますと、10億分の1単位まで分析できる機器が開発されてくると、ごく微量の危害成分まで検出されてしまい、それが原因で過剰な防御反応が起こるのです。

 

トマトの例でお話ししましたが、100%安全な食品はこの世の中には絶対にあり得ません。常にリスクがあると考えるべきです。

 

そうして、そのリスクと相対する関係にあるベネフィット(効果)の両方を考えた食生活を過ごすことが一番大事だということです。

 

分析データーだけを鵜呑みにして、過度に神経質になる必要はありませんよ。

 

                                   無双庵 筆

食品添加物

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私は、食品添加物の全てが悪だとは申しません。なぜなら、食品添加物なしに現在の食品の生産から流通、消費までのサプライチェーンが成り立たなくなるからです。

 

 一口に食品添加物と言っても、甘味料、着色料、保存料、香料、防カビ剤、発色剤及び酸化防止剤などなど目的に応じて多くの添加物があります。

 

 その数たるや、指定添加物(合成添加物と考えていただいて結構です。)が約440品目、豆腐の「にがり」など昔から使われている既存添加物が約370品目もあります。

 

 ちなみに、アメリカは1600品目ほどありますが、日本では含まれない果汁やお茶も含まれており、また、日本で一品目とされているものも含まれている物質ごとにカウントされている等、単純に比較できません。

 

 日本の場合は、それぞれの添加物について用途に応じて細かく使用基準が定められており、その基準値内であれば一生涯食べ続けても安全であるということが言えます。

 

 しかし、私たちは生きていくためには、毎日、食べ続けていかなくてはなりません。だとしたら、加工品ではなく、自分で調理した自然に近い食品を食べることが一番ですよね。

 

 さしずめ、小生なんかは、生まれてこの方60有余年、しっかり防腐剤入りの食品を多く食べてきたことから体中に防腐剤が染み渡り「死んでも腐らない」のではと按じています。

 

 皆さん、このようにならないように手間暇をかけて身体に優しい食事を摂りましょう。

 

                              無双庵 筆

安全と安心

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お食事の時に、これは安全なものか否かといちいち気にして食べられている方は、少ないだろうと思います。

 

 そのようなことを考えて食べても、折角の美味しいお食事も決して美味しくいただけませんよね。

 

 安全は数値で推し量ることができますが、安心は信頼で推し量るしかないのです。

 

例えば、ある危害物質が基準値以内だから食べても大丈夫だと言われても、そのデーターが客観的で信頼のおけるものでないと人は決して安心しません。

 

最近、食品の偽装問題や農薬の混入問題など安心して食べられない事件や事故が頻発しています。このようなことが続くと、まさに安心の一角が瓦解してしまうのです。

 

一度失った信頼は、容易に取り戻せません。ましてや、信頼を失った者から安心だと言われても誰も信用しません。

 

これまでも幾多の老舗企業が、一時期の迷いで偽装表示事件を起こし、それが原因となって「暖簾」を畳んだ例がいっぱいあります。

 

                               無双庵 筆

水と空気は誰のもの?

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水道をひねればいつでも水が出る。空気はどこにでもあって誰でもが公平に呼吸ができる。

 

そのありがたみを知ってか知らないでか、わかってもらえない存在に思えます。

 

しかし、おいしい水や空気は、すべて田舎の山で作られているのです。山は、降った雨を地下水として涵養(しみこむように)する大切は機能を持っており、山の木々は、光合成によって酸素を供給する重要な機能を持っているのですよ。

 

都会で生活していると関係ないように思われますが、山が荒れて、こうした機能を失ってしまうと、真っ先に都会の楽しい生活は成り立っていきません。田舎で山を守る人たちがいて都市の生活が成り立っているのですよ。都市と田舎は共存関係にあることをお忘れなく・・・。

 

                                    無双庵 筆

農業は命をつなぐ産業

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農業という産業は、衰退の一途を辿っているといっても過言ではありません。農業蔑視の傾向は今に始まったことではありません。

 

戦後の高度経済成長期における集団就職に代表されるように、農村から工業地帯(都市部)にどんどんと労働人口を大きくシフトさせてきた時から始めっているのです。

 

その結果、日本全体は、物質的な豊かさを得、今日に至っていますが、衰退していき農業を見直すべき時に来ています。

 

私は食べ物(農林水産物)がないと一日も生きて行けません。農業は命をつなぐ大事な産業なのです。農業のあり方、農村社会の存在など、国民一人ひとりが国民的課題として、考えていくべきではないでしょうか。

 

                                                 無双庵 筆

食文化の違い

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日本列島を大きく東西に二つに分けて食文化を考えると面白いことがわかりますよ。こうした文化は長い歴史と風土によって変わってきたものと思われます。

 

例えば、お正月のお餅、東は四角、西は丸、お正月に食べる代表的なお魚、東は鮭(サケ)、西は鰤(ブリ)、お肉といって連想するもの、東は豚、西は牛、だからカレーに入れるお肉も東は豚肉、西は牛肉が圧倒的です。

 

食パンも東は8つ切りのように薄いものが好まれ、西は4つ切りや5つ切りのような厚いものが好まれます。うどんやそばのつゆも東は醤油の濃い色、西はだしの効いた薄味(実は塩分は濃い)など、東と西では大いに異なってきます。

 

私も、実は、関東に出てきて30有余年経ちますが、西の食文化圏で育っており、未だに東の食べ物はどちらかというと好みません。

 

さように、「幼少期の食習慣」は大切なのです。

 

特に家庭の味はいつまで経っても忘れられません。だから、家族団らんで家庭の味を楽しむことが大切なのです。私は、これを豊かな食卓と言っています。

 

                                                      筆 : 無双庵

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